山鹿市農産物ガイド

山鹿市農産物ガイド

山鹿物産館マップ

 平成22年9月、山鹿市にある6つの物産館が集まり、山鹿市物産館連絡協議会を発足。農産品等の販促活動や情報発信などに連携して取り組み、山鹿市の活性化を目指して活動している。
 福岡市や熊本市などの都市部で物産展を開催し、山鹿市の旬の農産物や特産品を販売しながら山鹿の魅力をPRするなど、各地で「山鹿ファン」づくりのための活動に取り組んでいる。
 また、ネットショップ「食の王国“山鹿”うまかもん!ショップ」を運営し、全国に旬の農産物や特産品を届けている。
 各物産館がそれぞれの特長を生かし、協働して山鹿のPRに取り組むことで、全国に「食の王国・山鹿」を印象付けている。

山鹿市物産館MAP

①道の駅鹿北 小栗郷

小栗郷
TEL.0968-32-4111
山鹿市鹿北町岩野4186-130
https://www.ogurigou.co.jp/
・お栗茶屋/10:00~17:00 (OS16:00)
・小栗館/9:00~17:30
・木遊館/9:00~17:00
(第2木曜休館※祝日の場合は翌日、木遊館は毎週木曜休館)

②ふるさと市場(温泉プラザ山鹿内)

ふるさと市場
TEL.0968-44-0577
山鹿市山鹿1番地
https://yamaga-tanbou.jp/spot/8636/
9:30~19:00(第3水曜定休)

③山鹿市特産工芸村 あんずの丘

あんずの丘
TEL.0968-48-3100
山鹿市菊鹿町下内田733
http://www.kafutei.co.jp/anzunooka/
農産物直売所あぷりぃ/8:00~17:00(第2火曜定休)
山鹿和栗洋菓子店An(杏)/10:00~17:00(第2・4火曜定休)

④鹿央物産館

鹿央物産館
TEL.0968-36-3838
山鹿市鹿央町岩原2965
http://kao-kodainomori.com/
10:00~17:00(直売所8:00~)
(月曜定休※祝日の場合は翌日)

⑤JAファーマーズマーケット 夢大地館

JAファーマーズマーケット 夢大地館
TEL.0968-42-0141
山鹿市鹿央町千田2950
http://www.yumedaitikan.jp/
9:00~19:00

⑥道の駅 水辺プラザかもと

道の駅水辺プラザかもと
TEL.0968-46-1126
山鹿市鹿本町梶屋1257
http://www.mizube-plaza.co.jp/
・物産館/8:00~20:00
・レストラン/昼11:30~15:30(OS14:30)、夜17:00~21:00(OS20:00)
・温泉/9:00~22:00
(不定休)

山鹿の旬カレンダー

山鹿市旬の農産物カレンダー

PICKUP!【山鹿のうまかもん】

山鹿のうまかもん
グリーンアスパラガス

 山鹿市の風土に根付いた個性ある食材は他にもいろいろある。中でも熊本県内一位の栽培面積を誇るグリーンアスパラガス【収穫時期:3月~10月】は、直売所でも人気食材の一つ。雨よけ栽培、そして土づくりへのこだわりからは、柔らかさとしゃきっとした瑞々しさが生まれる。さまざまな料理に使われ、ポピュラーな野菜だが、栽培の様子まではなかなか知られていない。ユリ科の植物で、地上から伸びてくる新芽の茎を収穫する。親木の根元から、にょきっと顔を出す様は、どことなく愛らしくもある。

梨の花

 また、秋の代表的な果実の一つである梨【収穫時期:7月~11月】だが、多汁で食感の良い「幸水」は7月から収穫が始まる。その後「豊水」「秋麗」「あきづき」「新高」「新興」「愛宕」と品種が入れ替わりながら、11月下旬頃まで楽しめる。シャキシャキとした歯ごたえと瑞々しさの中にも、それぞれに見た目、食感、味といった異なる個性を持っている。農家の中には、梨園維持のためにオーナー制度を導入し、栽培管理の負担軽減と同時に、食への理解度を高める取り組みを行っているところもある。

あんぽ柿「ほっぺ」

 山鹿市には農産物を生かした特産品が多くあるが、その中でも、近年全国に販路を広げている商品の一つがあんぽ柿「ほっぺ」(菊鹿町干し柿研究会)。渋柿を硫黄でいぶして蒸す伝統的な製法により、乾燥させてもジューシーでなめらかな食感を残しており、まさに手間ひまかけて作られた逸品である。太秋柿や富有柿などの甘柿だけでなく、渋柿や干し柿、あんぽ柿など、柿といっても品種や食べ方はさまざま。軒先に吊るされた干し柿の風景もまた、山鹿ならではの食の魅力とも言える。

 山鹿のうまかもんを味わうと、季節の移ろいを身体と心で感じる。それは、自然の恵みとともに農家の方々の日々の苦労や培われた技や知恵などがあってこそ。その風土に根ざした「農」の営みから生まれる豊かな恵みこそが、「食の王国・山鹿」ならではの味なのである。

清流が育む「川魚」

川魚

 深い山々から湧く清流は、矢谷渓谷や岳間渓谷などの景観を生み、豊かな生命を育む。山の手ではヤマメやマスなどの養殖も盛んに行われ、地元の食事処でも味わうことができる。佃煮などの加工品もある。


他にもいろいろ

かんきつ類
かんきつ類
収穫時期:10月~3月
日当たりに恵まれた園地では、みかん栽培も盛ん。最盛期には、手ごろな価格でおいしいみかんを楽しむことができる。また、不知火(デコポン)も贈答用として人気。
メロン
メロン
収穫時期:通年
きめ細かい管理の中、さまざまな品種のメロンが栽培されている。コルク質の網目(ネット)が美しい「アールスメロン」や熊本ブランドの「肥後グリーン」など、贈答用としても人気が高い。
トマト
トマト
収穫時期:5月~12月
真っ赤なトマトには血流を改善する効果があるリコピンが含まれ、生活習慣病の改善はじめ、さまざまな効果が期待される食材。手軽に食べられるミニトマトも人気。
スイートコーン
スイートコーン
収穫時期:4月下旬~6月上旬
生でも食べられると人気のスイートコーン。「ピクニックコーン」や「味来コーン」などの品種がある。物産館で行われる収穫体験には、毎回子どもからお年寄りまで幅広い層が訪れる。
なす
なす
収穫時期:通年
露地栽培からハウス加温栽培まで、年間を通して出荷されている。長なす、米なす、赤なすなど種類も豊富。
切花
切花
収穫時期:通年
切花類では出荷時期を調整して栽培される電照菊をはじめ、トルコギキョウやカーネーションなど、その種類はさまざま。また、物産館等では、季節毎に花苗がずらりと並び、人気商品の一つとなっている。

畜産(牛・豚・鶏)

畜産

手間ひまと、たっぷりの愛情で育てる

やまが和牛

 「やまが和牛」というブランド牛がある。その名の通り、山鹿で育てられた黒毛和牛で、飼育頭数が少なく、流通先もごく限られている。そのため知名度はそれほど高くはなく、価格も黒毛和牛の中でも標準的。現在4戸の肥育農家が育てており、JA鹿本直営の物産館「夢大地館」と数軒の精肉店での取り扱いのみ。しかし、手間ひまをかけ、愛情たっぷりに育てられている「やまが和牛」は有名ブランド牛にも引けを取らない旨さがある。ここ山鹿市に来ないとなかなか食べられない、まさに地域の宝である。

 他にも肉質が比較的ヘルシーな「あか牛」や交雑種の「味彩牛」などが生産されている。

 もちろん肉牛だけでなく、豚や鶏、卵などの生産も行われている。

 JAの銘柄豚「くまもとりんどうポーク」は、認定を受けた3戸の農家が育てている。一般豚に比べてしまりがあり、日持ち、風味に優れ、きめ細かな甘みが特長。

 鹿本町にある株式会社熊本チキンでは、育成方法の工夫や徹底した品質管理が行われ、良質の鶏肉を全国に出荷している。品評会等で多くの賞を受賞し、平成26年には、地鶏・銘柄鶏食味コンテストにおいて、主に山鹿市で育てられている「肥後のうまか赤鶏」が「最優秀賞」を受賞し、日本一おいしい鶏肉として認められた。また、平成28年には、国際コンテストにおいて「うまかハーブ鳥」(ブロイラー)が「優秀味覚賞一つ星」を受賞している。蓄積された経験と知恵から生まれた飼育環境が、高品質の鶏肉を生み出したのである。

繁殖農家
山鹿市には肉牛の子牛を卸す繁殖農家もある。一頭一頭名前を付け、市場に出すまでの約9か月間、立派なブランド牛に成長するのを想像しながら育てる。
夢大地館
JAかもとファーマーズマーケット夢大地館では、「やまが和牛」「味彩牛」「くまもとりんどうポーク」などの山鹿のお肉を買うことができる。
肥後のうまか赤鶏
日本一になった山鹿市の赤鶏
肥後のうまか赤鶏
食肉業界唯一の専門展示会「第39回食肉産業展2014」で行われた「第10回地鶏・銘柄鶏食味コンテスト」において最優秀賞を受賞した熊本県産銘柄鶏。
鶏卵
日々の食生活に欠かせない
鶏卵
山鹿市では養鶏農家が独自性を高め、差別化を図るために品種や飼育方法などに工夫を凝らしながら多様な消費者ニーズに応えている。
酪農
安全安心で栄養豊富な牛乳を
酪農
酪農も盛んな山鹿市。鹿本酪農農業協同組合では農家と共に品質向上や安全安心に取り組み、牛乳や乳製品を各家庭に届けている。

たけのこ・ハウスきんかん

たけのこ

たけんこの里の名人技で高級食材に

 熊本県は全国有数のたけのこの産地。その中でも山鹿市は生産量の3分の1以上を占める特産地である。

竹林

 たけのこは、ただ竹林があれば、育つというものではない。竹林を適度に伐採し、太陽の光が地面まで届くように丁寧に整備し、肥料を加えてしっかりと土づくりを行う。手間ひまをかけるからこそ、おいしいたけのこができるのである。

 一番の労力はやはり掘り出し。比較的温暖な山鹿市では12月には収穫が始まる。この早出のたけのこは土の中にあるため、素人目にはどこにあるのかわからない。長年の経験を基に、わずかな土の盛り上がりや地面の割れ、竹の位置などを見極め、傷つけないように丁寧に掘り出す。名人技によって収穫された早出のたけのこは、関東や関西方面へ出荷され、高級食材として珍重される。

 たけのこの旬といえば春。地元の直売所などには3月頃から並び始め、4月にはピークを迎える。程よい甘み、そして、柔らかさの中にもシャキッとした歯ざわりがある。掘り出して間もない新鮮なたけのこほどアクが少ないため、できるだけ早めにアク抜きの処理をするのがおすすめ。

 また、新鮮なたけのこを手に入れることができなくても、水煮や乾燥などの加工品もあるので、一年中、山鹿のおいしいたけのこを味わうことができる。煮ても焼いても和えてもおいしい山鹿の春の代表的な旬の食材は、たけんこの里の名人たちの手によって、丁寧に育まれている。

たけんこ街道

たけんこ街道

 山鹿市でも特に鹿北町は、たけのこの生産量が多い地域。毎年10軒の飲食店が一番おいしい時季の採れたてのたけのこを使った料理を期間限定で提供する「たけんこ街道」が行われている。郷土料理からピザまで、さまざまな料理に合うたけのこ。料理だけでなく、たけんこの里らしい、山間の素朴な春の魅力にも触れることができる。

たけのこの生産量

たけのこの生産量
ハウスきんかん

常識を超える甘さは、まさにフルーツの宝石

ハウスきんかん収穫

 きんかんと言っても一般的な露地栽培のきんかんとは異なり、粒が3〜4センチと大きく、糖度が18〜20度と高い。ハウス栽培で、摘果作業、温度や湿度などの品質管理に気を遣う作業が日々行われ、オレンジ色に輝き完熟した状態で一つひとつ丁寧に収穫される。

 鹿央町を中心に生産されるハウスきんかんは、平成5年から栽培が始まり、熊本県内では栽培面積、生産量ともに一位。現在10戸の農家が栽培し、約27トンが出荷されている。ビタミンCやカルシウムを豊富に含み栄養価が高く、皮ごとガブリと丸かじりして食べるのがおすすめ。JA鹿本では「夢小町」のネーミングで出荷しており贈答用としての人気も高い。

 この栄養価の高さと独特の風味を生かした加工品も多く作られている。鹿央物産館では、食堂のおばちゃんたちが作るきんかんシフォンケーキが名物。摘果したキンカンを粉末にして生地に混ぜて焼き上げたシンプルなケーキだが、さっぱりと食べやすく、鼻の奥にほのかに残る香りが清々しい。そのほかにもアイスや羊羹、シロップ漬け、焼菓子など、そのラインナップは豊富。

 ハウスきんかんの間違いない品質とおいしさは、まさに山鹿産フルーツの宝石。少しずつファンも増え、山鹿の冬の特産品として、定着している。

主なハウスきんかん加工品

シフォンケーキ
きんかんシフォンケーキ
爽やかなきんかんの風味とふっくらとした食感が味わえる。
きんかんまんじゅう
きんかんまんじゅう
口の中いっぱいにきんかんの香りが広がるこだわりの和スイーツ。
きんかん甘露
きんかん甘露
夢小町を丸ごと甘露煮にした甘酸っぱく贅沢な逸品。
きんかん羊羹
きんかん羊羹
お茶菓子に最適な昔ながらの手作り羊羹。

スイカ・いちご

スイカ

出荷は3月から始まり、5月に最盛期を迎える

 都道府県別のスイカ生産量全国一位を誇る熊本県。山鹿市でもスイカの栽培が盛んに行われている。

スイカ選果場

 ハウス栽培が主流で、水や温度管理に細やかな気配りを要し、特産地ならではの高品質の商品として取引される。生産者を支えるJA鹿本では、高性能の光センサーを駆使し、糖度や空洞の具合を厳しくチェック。「夢大地かもと」のブランドで全国に出荷している。また、品質管理だけでなく、生産履歴の記帳など消費者に安全安心を届ける努力も日々行われている。

 夏のイメージがあるスイカだが、山鹿では5月に最盛期を迎える。食べる直前に冷やし、甘味が増した状態で食べるのがおすすめ。

 品種もさまざま。山鹿市で最も生産量が多いのは「祭ばやし」で、サクサクとした食感に、まろやかな味わいと糖度の高さが特徴。最近では、軽量で持ち運びがしやすい小玉スイカの人気も高い。瑞々しさや糖度は、大玉スイカに引けを取らない。

 特産地として、消費者ニーズの多様化に合わせ、山鹿のスイカの美味しさも進化し続ける。

スイカの主な品種

祭ばやし
祭ばやし
大玉で果皮色が比較的濃く見栄えも良い。まろやかな味わいと高糖度が特徴。
春のだんらん
春のだんらん
高糖度で肉質はシャリ感に優れ、その名の通り4月から出荷される高級品種。
ひとりじめ
ひとりじめ
小玉スイカだが、大玉のようなシャリ感が楽しめる。皮が薄く、糖度も高い。
ひとりじめbonbon
ひとりじめbonbon
高級感のある黒小玉スイカ。あっさりと食べやすい食感が特徴。
いちご

「ゆうべに」「ひのしずく」など熊本のオリジナル品種も生産

みつばち

 ビタミンCを豊富に含み、かぜの予防や疲労回復に効果があるといわれるいちご。山鹿市には100戸以上のいちご農家があり、熊本県有数のいちごの産地。早いものは11月から出荷が始まり、概ね5月まで収穫される。温度、湿度の高いビニールハウス栽培のため、病気や害虫から守るには、日々の管理が欠かせない。いちごは、苗づくりから始めておよそ14ヶ月、一年以上かけて丹念に育てられる。

 そのいちごにも、見た目や味、食感など、品種によりそれぞれ特徴がある。山鹿市では「紅ほっぺ」「とよのか」「さがほのか」のほか、熊本県オリジナル品種の「ひのしずく」「ゆうべに」などが生産されている。熊本県農業研究センターが9年の歳月をかけて開発した「ゆうべに」の名は、熊本の「熊(ゆう)」といちごの「紅(べに)色」を合わせて付けられたもの。平成26年に品種登録され、翌27年にこの愛称が決定した。甘味と酸味のバランスが良く、瑞々しく爽やかな香りが特徴で、山鹿市でも今後の生産拡大が期待されている。

 特産地として、消費者ニーズの多様化に合わせ、山鹿のスイカの美味しさも進化し続ける。

加工品やイベントで産地をPR

いちごのモンブラン

 いちごを使った加工品も多く、ジャムやソフトクリーム、大福、ケーキなど、冬から春にかけての旬の味覚として人気が高い。また、いちごフェアなどのイベントを通して、特産品をPRする取り組みも行われている。

収穫体験も人気

いちごの収穫体験

 自分でいちごを収穫して、その場で食べたり、お土産として持ち帰ったりする体験も人気。鮮度抜群のおいしさを求め、家族連れや海外の団体客など、幅広い客層がシーズン中に訪れる。

[山鹿のちから](6次産業化商品)

山鹿のちから
山鹿のちから

山鹿市では、農業生産者が自ら農産物を加工して商品を作り、販売する取り組み、山鹿市6次産業化推進事業「山鹿のちからプロジェクト」を推進している。農産物の持つ魅力を引き出し、そこに専門家も加わり、経験や知恵、アイデアを取り入れ、新しい商品作りに取り組んでいる。生産者の熱い想いをカタチにした山鹿ならではの商品。着色料や保存料などの添加物を一切使用せずに、手作りで、安心安全のものばかり。これまでにない新しい農業の力が、「山鹿のちから」として動いている。

紫やまいもそうめん【七夕ふじむらさき山芋振興会】

黒田さん夫婦

 紫やまいもは、ポリフェノールを多く含む鹿央町特産の希少な山芋。その特徴的な色が、多くの栄養素を含んでいる証拠。今から16年前に、生産者の黒田さんが、それまで主に東南アジアで栽培されていた紫やまいもの栽培を山鹿で始めた。寒さに弱いため、収穫や貯蔵方法など、さまざまな工夫をしながら現在に至る。当初は美しい紫色が逆に敬遠されることもあったという。その魅力を丹念に伝え、今では品薄になるほどの人気農産品になった。

紫やまいもそうめん

 この紫やまいもを練り込んでできた商品が「紫やまいもそうめん」である。熊本県産の小麦と塩、そして紫やまいものみで製麺され、鮮やかな色と独特の風味、食感を楽しむことができる。鹿央物産館の食堂では、夏の人気メニューの一つ。加工品はそうめん以外にも、紫やまいもを使った「酢」や「かりんとう」などがある。

 黒田さん夫婦は、紫やまいもの魅力を全国に伝えたいと努力を続けられている。

大豆のちから SOY CUBE【中分田ファーム】

SOY CUBE

 地元の城北高校(調理科・スポーツ科学コース)の生徒たちが、中分田ファーム(鹿本町)の減農薬栽培の大豆を使って作り上げた商品。きんかんやいちごなど、地元のフルーツを使ったジャムを加え、季節毎に自然で素朴な甘みを味わえるのが特徴。タンパク質、ミネラル、糖分などの栄養がギュっと詰まった高エネルギー食品で、単にお菓子としてだけでなく、栄養補助食品としての価値も高い。

SOY CUBE

 山鹿の農産物を生かしたいという高校生の熱い想いと、生産者のこだわりから生まれた「大豆のちから SOY CUBE」。現在は、その想いを就労支援施設の「サポートこやなぎ」が受け継ぎ、製造し、「道の駅水辺プラザかもと」で販売している。

 高校生の地元農産物への想いとアイデアが詰まった商品だ。

菜の花キャビア【NPO法人ひらおぎ】

菜の花キャビア

 山鹿市にある平山温泉は、泉質の良さと野山に囲まれたのどかな景観が楽しめる人気温泉スポットの一つ。この地域では、田畑に菜の花を植え、春先に咲く黄色いじゅうたんで多くの観光客を出迎えている。

 菜の花はその後、有機肥料として米作りに使われるだけでなく、加工商品の原料としても活用されている。「菜の花キャビア」は、古式一番搾りの菜種油と菜種粒を合わせた商品で、プチプチ食感と、塩味の中にあるほのかな苦味が特徴。クラッカーやカルパッチョなどに乗せると、味のアクセントだけでなく、見た目もグンと高級感が増す。菜の花キャビア他にも菜種油に山椒や生姜などを入れたハーブオイルもあり、菜の花を無駄なく使ったアイデアいっぱいの商品は、平山温泉と地域の景観を守り育てる郷土愛に満ち溢れた活動から生み出された逸品である。

 菜の花商品のラインナップは、どんどん広がっている。

他にもいろいろ!山鹿のちから商品紹介

丹沢(たんざわ)鶏塩ラーメン
鶏塩ラーメン
【マツヤマエッグファーム】
緑あふれる山鹿の澄んだ空気の中、開放的な鶏舎で抗生物質や薬品を使用せずに育った鶏から生まれる「山鹿のたまご」。この卵を使用した、弾力のある卵麺が特徴の鶏塩ラーメン。
山鹿の栗ごはん
山鹿の栗ごはん
【山鹿愛栗研究所】
菊鹿町の米と地元特産の大きな栗をぜいたくに使い、山鹿を愛する仲間たち「山鹿愛栗(めぐり)研究所」が作った栗ごはんセット。
暦米粉クッキー
暦米粉クッキー
【宮下農園】
月の満ち欠けという自然のリズムに従って育てられた、生命力あふれる自家精米の米粉で作った手作りクッキー。保存料、着色料、香料を使わず、大豆やいちご、ぶどうなどの山鹿の恵みが使われている。
干し野菜/ピクルス/スイカ辛味ソース
干し野菜/ピクルス/スイカ辛味ソース
【やまがつちんこ】
山鹿の若手農家集団「やまがつちんこ」。野菜や果物の本来の旨みを生かした加工品づくりに取り組んでいる。新しい発想と元気が、商品の魅力にもつながっている。
塩糠調味液/玄米離乳食
塩糠調味液/玄米離乳食
【山鹿夢アグリ】
還元塩ミネラル農法という有機JAS認定の無農薬栽培米を原料にした商品。その米糠をこだわりの塩と水で長期発酵させて抽出したアミノ酸豊富な調味液や、玄米を粉末にした安全安心な離乳食。

ワイン用ぶどう

ワイン用ぶどう

カベルネソーヴィニヨン

菊鹿町では、平成11年からヨーロッパ原産の白ワイン用のシャルドネと赤ワイン用のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどが栽培されている。

世界が認める高品質のワイン

 2009年、国際ワインコンクール「ジャパン・ワイン・チャレンジ」で、熊本ワイン株式会社の「菊鹿ナイトハーベスト シャルドネ樽発酵2008」が白ワイン部門の最優秀賞を獲得。国内メーカーで初めての受賞という快挙だった。このワイン名の「菊鹿」はぶどうの栽培地であり、「ナイトハーベスト」は、夜摘みという意味。ぶどうの木がまだ眠っている真夜中に収穫し、すばやく搾汁することで、ぶどうのおいしさや、香り、新鮮さをそのままワインに閉じ込める。コンクール以降、菊鹿産のぶどうで仕込んだ「菊鹿」シリーズのワインの認知度と需要は急速に高まり、今では手に入れるのが困難なほどの人気を博している。

菊鹿ワイン

 特に「菊鹿ナイトハーベスト小伏野」や「菊鹿セレクション五郎丸」など厳選されたぶどうで仕込まれたワインには「小伏野(こぶしの)」「五郎丸(ごろうまる)」という栽培地名(字名)が付く。さらに、栽培者の情報がラベルに記載され、消費者に安全安心の情報を提供している。

 栽培しているワイン用ぶどうには、白ワインの原料となるシャルドネ、赤ワインの原料となるカベルネ・ソーヴィニヨンなどがある。温暖な気候で豊富な日照に恵まれているため、味のあるぶどうの栽培ができるが、梅雨など雨の影響を受けやすいという難しい面もあるという。それでも当初は12戸だった契約農家も、今では30戸に増えた。平成30年11月には、菊鹿町の相良地区にワイナリーがオープンし、世界品質のワインが山鹿市で生産されている。より多くの人に「菊鹿」シリーズを飲んでもらうだけでなく、都会の人たちとの交流拠点としても期待されている。

相良観音
菊鹿ワイナリーのある菊鹿町相良地区には、木彫座像では国内最大級の千手観音が祀られている相良寺がある。
ナイトハーベスト収穫体験
深夜に行われるナイトハーベストの収穫には県内外から、多くの体験希望者が集まる。
生産者
大切に育てられたぶどうを丁寧に摘み取る。この思いがワインの作り手にも伝わり、妥協のない名品が生まれる。

食用ぶどうの産地

 山鹿市ではワイン用ぶどうの栽培だけでなく、食用ぶどうの生産も行われている。かつて山伏たちが修行の地としていた天にそびえる巨石「不動岩」のすそ野にあたる三玉地区には、ぶどう農家が集まり、多いところでは20種類以上もの品種を生産している。
 巨峰やピオーネ、シャインマスカットなど、それぞれに特徴的な見た目や味などがあり、季節によっても収穫される品種は変わる。夏から秋にかけて物産館等に家庭用から贈答用まで並ぶが、ぶどう園によっては直売しているところも。農園に足を運び、生産者の話を聞きながら購入するのも山鹿のぶどうを味わう醍醐味の一つである。

シャインマスカット
巨峰

茶

山間に歴史が息づく「お茶街道」

 山鹿市の北部を通る県道18号は、「山鹿お茶街道」とも呼ばれ、道沿いに10軒以上の山鹿茶を生産販売するお店がある。山鹿のお茶は「岳間茶」「菊鹿茶」などそれぞれの地名を付けて販売されて
いる。その歴史は古く、江戸時代初期(1630年頃)に肥後細川藩初代藩主・忠利公が、山鹿を訪れたときに”星原の番所”(鹿北町星原地区)で飲んだお茶を大変気に入り、その後、年貢の代わりに納める献上茶となったことが始まりとされている。

山鹿茶

 おいしいお茶ができるのは、山間を流れる渓谷の清水から潤いを得るその地形にもよる。程よい湿度と日差しにより、やさしく茶葉は育つ。そして普通の煎茶に比べて2〜3倍もの時間をかけられて作られる深蒸し製法により、コクのある甘みが生まれるのである。もちろん生産者や製造者は、品種選定や栽培法、製造技術に工夫を凝らし、独特のおいしさを作り出している。お茶屋さんそれぞれに「お客さん」が付いているのが何よりの証拠。自分に合う味を探すことも、お茶選びの楽しみなのである。

 また、日本の紅茶のルーツはここ山鹿にあるということはなかなか知られていない。明治8年(1875年)、政府が日本で初めて紅茶伝習所を山鹿に設置し、紅茶の製造と輸出による富国を目指したのである。3年後に岳間地区に移転し、本格的に生産をスタートさせた。戦争等により、一時は途絶えたものの、現在紅茶の産地を復活させようと、さまざまな取り組みが行われている。

 生活スタイルの変化とともに「お茶」の在り方も変化している。昔ながらの楽しみ方だけでなく、消費者ニーズの多様化とともに、お茶の持つ可能性が広がっていることを知ってほしい。

紅茶

紅茶
茶葉を発酵させて紅茶をつくる。「藤本製茶」により5年の歳月を経て復刻された山鹿紅茶はストレートで味わうのがおすすめ。

お茶の品種と鹿北茶山唄

茶
お茶の品種
お茶にも「やぶきた」「さえみどり」「べにふうき」などの品種がある。山鹿のお茶は、軸が太く葉肉に厚みのある柔らかい茶葉が特徴。
鹿北茶山唄
鹿北茶山唄
その昔、茶摘み娘たちの掛け合いから生まれた民謡で、「登り唄」「摘み唄・揉み唄」「仕上げ唄」の3部構成からなる。毎年全国大会が開催され、次世代への継承も行われている。

山鹿お茶街道(山鹿市茶業振興協議会)

協議会は山鹿市にある9つの生産部会で組織する団体で、お茶の品質向上と販路拡大に取り組んでいる。また、山鹿市の北部を通る県道18号を「山鹿お茶街道」として、地域と連携しながら、お茶だけでなく、特産品をPRするイベント等も実施している。

【協議会会員】JA鹿本茶販売所、小山製茶、芋生茶生産組合、古田製茶、藤本製茶、岳間製茶、佐とう製茶

山鹿お茶街道MAP

収穫時期 9月下旬~10月下旬

日々の品質向上の努力で「最高評価」に

山鹿市は阿蘇に源を発する一級河川菊池川の中流域に位置し、古くから肥沃な土壌による穀倉地帯が形成されてきた。流域に残る多くの「装飾古墳群」や1300年前の古代山城「鞠智城跡」などからも、長い年月にわたり人々の営みがあったことが分かる。古代米にはじまり、江戸時代には菊池川の水運を利用して大阪・堂島へ運ばれた米は「肥後米」の名で全国の米相場をリードしていた。

今でも山鹿市は県内有数の米の産地。品種改良や栽培方法などに工夫を重ね、安全安心そしておいしさを追求し続けてきた。中でも「森のくまさん」は、日本穀物検定協会の米の食味ランキングで最高評価の特Aを5年連続(平成22~26年産)獲得するほど。気候の変化の影響を大きく受ける稲作にありながら、高い品質を保ち続ける努力にこそ、山鹿の米のおいしさの秘訣がある。また、米を生産するだけでなく、農業体験や収穫祭などを通して、主に都市部の消費者との距離を縮め、ファンになってもらう取り組みも行われている。子どもたちにおいしさだけでなく米づくりの大変さ、難しさ、そこから得られる喜びを知ってもらい、日本の農業を守り、未来へと受け継ぐことの必要性を伝えている。景観保全もその一つで、菊鹿町にある日本棚田百選「番所の棚田」は、9月20日頃になると真っ赤な彼岸花と黄金色の稲穂との色合いが見事な景観を生み出す。そこに多くの観光客が訪れ、自然に触れ、そして地元の人たちとの触れ合いに癒されるのである。


田植え、草刈り、収穫と、毎回多くの家族連れの参加がある農業体験。不慣れな作業ながらも、笑顔いっぱいの子どもた。

「番所の棚田」は、観光ツアーとしても人気のスポット。地元では平成20年に発足した番所棚田保全協議会が都市部からの受け入れに対応している。

菊鹿町にある古代山城「鞠智城跡」の目の前には、9月になると古代米が赤く色付き、幻想的な光景が見られる。

山鹿市のブランド米

山鹿市では、消費者のニーズに合わせ、より品質の高いさまざまな米作りが行われている。主に菊鹿町で生産されている「合鴨米」は、水田で合鴨を飼うことにより害虫駆除を行い、無農薬で育てられた米。
菜の花米」は、菜の花が育った良質の土で育てられた米で、春の景観の美しさも人気。
棚田米」は、景観の保全と共に大切に育てられている米で、流通量が少ない。その他にも、れんげが育った良質な土壌で作られた「れんげ米」などがある。
また、農家の高齢化に伴い、地域で協力し合い、品質の高い米づくりを目指すために、農事組合法人を設立した鹿本町庄地区。ここでは、「庄の夢」という名称で、化石サンゴとクリムソンクローバーの緑肥を使い、土づくりにこだわった農法で、特A評価を受けた米を生産している。

米粉を使った加工品

八十八パン

山鹿市では、米の普及を促進するために、米粉を使ったパンや麺類などの加工品も多く作られている。

米の生産量

平成28年度 農林水産関係市町村別統計(農林水産省より) 熊本県合計178,100トン